アメリカのTVドラマ2017/02/17 10:07

アメリカンなドラマと言うと、1950年代後半から日本で放送された
「パパは何でも知っている」(写真上)と「うちのママは世界一」(写真下)という二つのホームドラマが古い。
白人中産階級の恵まれた家庭風景に、日本人が憧れたあれ。
わかる人は、限られているだろうけど。


私が好きだったのは、同時期の「アニーよ銃をとれ」だった。


後年、実在の人をモデルにしたものと知って、西部開拓を描いた映画などを観たのだが、有名なカラミティ・ジェーンとの対比なども興味深い。

で、現代のドラマ。
先日、言及した「shameless」は、「破廉恥」を絵に描いたような家族の話である。
最初、観たときは、貧乏であまりにも下品な家族の日常が描かれていて、(特に父親がひどい)、
「これは観るの無理」と思ったのだが、6人兄弟の次男がゲイという設定。
弟妹が、兄に対して、「まだ、ゲイなの?」と言うセリフのトボけぶりが面白くて、
つい見始めた。
日本のドラマと違って、ゲイやレズビアンが(ゲイの方が多いけど)、普通に存在する人たちとして描かれているドラマが多い。
でも、毎回辟易しながら、その破天荒ぶりを観ていたが、あることに気づいた。

かれらは、法律や道徳など、ほとんど気にせず、暴力的で、大声で怒鳴り合い、貧しいために非合法なことにも手をそめ、ドラッグとアルコールで憂さを晴らす。
しかし、ここには幼児虐待がない。
DVもない。
どんなにドラッグでラリっていても、きょうだいに暴力はふるわないし、きょうだいの一人に何かがあれば、皆が駆けつける。
ドラッグとセックス、そして盗みのような軽犯罪に対するハードルが低いが、何かがストイックなまでに守られている。
弱者への慈しみのようなもの、家族愛、そして、一夫一婦の倫理観だ。
結婚したとたんに、彼らはとても貞節になる。
浮気をしたら、心の呵責に耐えられず、相手に告白をし、相手から徹底的に責められる、というような展開になり、最終的には、パートナーとの絆を深める、というような筋書きになる。
キリスト教的倫理観が現代的なかたちで変形されつつ、
基本が守られている、という感じ。

日本のドラマを観る気がしないので、海外物を観るが、文化を共有していないと、謎が多い。
日本のものは、価値観が表層的なような気がして、
見始めたとたんに、
「あんたの凡庸な考え方はわかったよ」と、制作者に言いたくなるような感じで、興味を失ってしまう。
しかし、「shameless」のモラル感は興味深い感じがする。

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