猫かぶりM吉のブログ

私は、抜けたところがあるので、
あんまり敏感に反応できないことが、チョイチョイある。

その一つ。

若いころ、人の多いところを歩くと、
向こうから歩いて来た男の人と握手してしまうようなシチュエーションがよくあった。
「あ」と、思うと、向こうもあれ？という感じ（に見えた）で、にっこりしてきたりする。
偶然、手の高さが同じなので、そうなるのだとずっと思い込んでいた。

必ず、男の人だった。
今になれば、
鈍いのもえーかげんにせぇ！　という感じである。


考えてみれば、男の人と手の高さが同じで、偶然、手が重なった、なんて、おかし過ぎる。
やられてたのだ！

なぜ、今頃気づいたかと言うと、
もう長く、そんな偶然など起こったことがないからだ。
最近、人込みを歩いていて、昔のことを不意に思い出したのだ。

いかにも、のシチュエーションなら、私でもわかる。

が、そんな話は聞いたことがなかった。
だから、ずっと、こういう偶然って多いなと思っていた。
が、やっぱりおかしい。
女の人とそんな偶然は起こったことがない。
やられてたんだ！

最近、年のせいか、
昔のあれやこれやが、思い出されることがある。
忘れてたようなことが不意によみがえる。
で、やられてたことに気づく。
何が起こっているのかよくわかっていなかった幼い頃から、
いわゆる若い娘の年齢の頃まで、
実に様々なタイプのセクハラを受けていた。
この社会の女性の置かれ方に、あらためて怒りがわく。

鈍い自分にも、いささかのいらだちがわくが、
それでもなんとか無事に生き延びたのは、まさに僥倖だったのだろう。
今、いろいろな状況で苦しんでいる女性が、声を上げ始めている。
ここで、手を打たないと、日本の社会はもう、末期症状だ。

なぜ、そう思うかと言うと、
アメリカはエグイ社会だと思うが、
フェミニズムの浸透ぶりは、日本の比ではないからだ。
普通の、真っ当な、社会人男性なら、
女性の人権を侵害するとはどういうことか、ということを、
確実にわかっていると思う。
ごく普通の、真っ当な社会人をやっている日本人男性のほとんどが理解していないのとは、雲泥の差だと思う。
ま、GGIによく表れているけれど。

学生を相手にしていると、確実にレベルは上がっていると感じる。
人権意識とか、女性の人権に関しての感度は、
10年前の学生とは、格段の差だ。
かれらが、社会の基幹を担う頃には、日本もましになっているかしら。
まぁ、私はもういないけれども。