看護師さんが優しくないわけ2016/08/27 10:11

私は救命科の患者なので、主治医という人はいないそうです。
緊急搬送された夜は、比較的落ち着いていたのに、
入院の翌日から、それはそれは耐え難い腹痛に襲われました。
しかし、なかなか見立てが出ません。

もともとの腎臓の病気と、今回の激烈な腹痛とが結びついているのか否か、結果が出ないのです。
あらゆる検査でも、典型的な所見が見られない。
でも、腹痛がひどくて
とうとう自力では歩けなくなり、トイレに行くにも車いす、という状態になりました。

あまりの痛さの故かどうかわかりませんが、吐き気もひどく、
ガーグルベースとかいう容器を持ってきてもらいました。

水分も服薬以外は制限され、救急車で運ばれる直前に胃の中のものを全部嘔吐してしまった後、ずっと絶食。
嘔吐って、何を吐くのぉ~、と自分にツッコミを入れたくなる状況。
で、嘔吐。
水みたい。胃液か。
苦しさの中でナースコールをし、来てくれたこわい顔の看護師さんに
「吐いた」とだけ呻くように言ったら、
ガーグルベースを手荒く取り、私のベッドの近くにある洗面台にじゃっと手荒く捨て、つきつけるように私に戻すと、ものも言わず行ってしまいました。

私は、粗相をして、怒られているのか?

車いすでトイレから帰って来て、座っているのが痛くて、
すぐにベッドに倒れ込もうとした私に、
「まだ早い!」と子どもを叱るように言う看護師さん。
最初は優しかった人まで、怖い顔になっています。
皆、いらだっています。
「私、悪いことをしたの?」と、痛さと悲しさで、不幸感がマックスに。

この冷酷な扱いは、
苦痛がひどいほど増していて、
やっと痛み止めが処方されて、痛みが緩和されて、
こちらが人心地ついたら、態度も変わった気がします。
特定の人が、というわけではなく、全体にそういう感じがしました。

苦痛を訴えられても
自分の裁量でそれを緩和する処置を行う権限が与えられていない状況で、
看護師さんたちは困惑し、
拒否的な態度に出るのでしょうか。

痛み止めのおかげで症状が落ち着いて、
車いすも使用しないで済むようになると、一般病棟に移りました。
移る直前、私が一人で歩いているのを見て、
「あ、歩けてよかったですねぇ」とほほ笑んでくれた看護師さん、
えっと、この人も怒ってなかったっけ?

一般病棟ではまわりの景色も変わりますが、
看護師さんの対応が優しくて穏やか。

看護師さんは患者と医師の間で、時には板挟みになり、
でも、医師の指示なしには治療について一切言及できず、
自己裁量の権限の範囲は極めて小さそうです。
さぞかしもどかしい位置なのだろうと思われます。
もちろん、それは組織の責任体制とか法的なライセンスの問題とか、
小手先の改革ではどうにもならないものでしょう。
患者としては、
医療システムの問題に、自分の生命やQOLを脅かされないように、
自衛するしかないなと感じたことでした。

と言いましても、痛みで苦しんでいる私にできたことは、
とにかく、痛み止めを処方して、人心地つかせてちょうだい、と、
医師にも看護師にも懇願し続けることだけでしたが。

今も痛み止めで症状が安定しているだけですが、
でも、とにかく、激痛は可能なら止めた方がよいと思います。