女性たちと、、、2015/12/14 10:23

 ご無沙汰していた年下の友人から電話がかかってきて、
「私の会社も10周年を迎えましたので、ささやかな集いをしますから来てください」とのこと。

 仕事でご縁があって知り合った人だが、私は特にビジネスがらみのつきあいはしていない。でも、久しぶりなのと、
「そう! もう10年も経つの!」という喜ばしい驚きで、喜んで参加した。
なにしろ、中心部に事務所を移しているし、次から次、新企画を出しているので、とても盛業なのだろうと、お祝いするつもりで行った。

 が、行ってみて、また新たな感慨が、、、。
参加しているのは、私同様、特に彼女の会社に利益をもたらすとは思えない立場の人が多く、むしろ、古い友人たちだったりする。
女性一人で、新規事業を立ち上げてやってきたのだから、筆舌に尽くしがたい苦労もあったのだろうと想像する。
そして、利益がらみでなく、個人的なつきあいの中で彼女の成功を願った人たちが集まった感じがあって、みんなとても穏やかで和やかで、癒し系の人たち。

 食事をしながら、いろいろな話をしていて、あらためて知ったのは、どの人も仕事に就いているが、これまで結構苦労している。
特に印象に残っているのは、半分ほどの人が、進学を阻まれた経験があること。私よりもうんと年下の人もそうだ。
「女に大学なんて、とんでもない」と言われたと、高卒の人もいる。
私の世代で、女性の大学進学率は、22~25%くらいだ。この中には短大も含まれる。
 必ずしも大学教育を受けることが良いとは思わない。が、願っても、その思いを断ち切られた女性がたくさんいる。
また、今の時代なら、絶対進学したであろう勉強好きで優秀な女性たちが、進学できていなかった。

 以前、教えていた大学で、私の授業にひときわ目立つ年配の女性が出席していた。私より年上のように見えた。授業後、レポートを提出してもらうのだが、内容もしっかりしているし、よくものを考えておられる。
ある時、レポートを出されるときに、声をかけたみた。
「社会人入学ですか?」
「そうです。女だから、という理由で進学できず、就職したのですが、もう長く働いたのでやめて勉強しています」とのこと。
ちょうど、授業で、戦後の女性の教育について取り上げ、進学を断念した優秀な女性がたくさんいる、と話したばかりだった。

 今回の集まりでも、優秀でやる気のある女性たちが集まっていたが、そうした悔しい記憶を持っていた。
 
 それでも明るく、優しく、穏やかでいる女性たちと歓談していて、いろいろ思うことがいっぱい。
 会社を起こした彼女を、ただ、気持ちで支える、ということも大事なのだとあらためて思った。そうは思いながら、ひそかに、どこか景気の良い会社と彼女をつなぐ手立てはないかと考えてしまうのだが、、、。

 能力もスキルもやる気もある。アイデアも良い。ただ、まだまだオトコ社会の企業文化の中に、どのように分け入っていけるのか、顔を見た直後だけに、考えこんでしまう。