アマゾンで映画2023/08/22 06:25

昨日は、アマゾンで映画を2本。
この暑熱の中、出かけていく方がヤバいだろう、と、
不活発な自分を怠け者と考えないことにして開き直って、
映画を観ることにした。

一本目は、話題作が無料になっていたので。

『シーセッド  その名を暴け』
タイトルは、
「he said, she said」という、異なる言い分が発生している状態を表している言いまわしから取られている。
映画プロデューサー、ハーヴィー・ワインスタインの長年にわたる性暴力を最初に告発した二人の女性記者の奮闘を描いている。
最後は泣けてしまう。
強大な権力を持った男とその権力下にいる男たちが築いている堅牢な壁は、突き崩すのが困難だ。
女性を性的ななぐさみものにすることに何の痛痒も感じない男。
否、自分の欲望を満たすために、女性は存在する、としか思っていないのだろうと、あらためてわかる描きようだ。

この世には、悪意がなくても、男性に対して払う敬意を女性に対しては払うことのできないタイプの人間がたくさんいる。
女性にもいる。特に日本の場合はそうだ。
日本は世界でも有名な女性蔑視の国だから、
この映画で展開される男女の会話は成り立たないだろう。
ワインスタインの邪悪さが際立つのはアメリカだからであって、
日本ならワインスタインだらけで、
おそらくメディア仲間にもミニワインスタインがたくさんいて、
主人公の記者たちは、まず自分の職場で、家庭で、闘わないといけなかったかもしれない。

映画自体は、性暴力を続けてきた権力男と、
それを告発しようとするメディアとの対比なのでわかりやすい構図だが、
様々な場面で、私自身のいくつかの過去の悔しいシーンが呼び起こされた。

家のリビングで、一人で映画を観るって、ヤバいことなのかもしれないな。

もう一本は、是枝監督の『ベイビー・ブローカー』。
悪くない。むしろ、面白い映画だ。
ただ、ずっと気になっていたのは、俳優たちの赤ちゃんの扱い方。
まだ、首が座っていない月齢でその抱き方はまずいだろう、とか、
はらはらし通しだった。
赤ちゃんにミルクを飲ませた後は、縦に抱いてゲップをさせるのだが、
その時、母親役の俳優が赤ちゃんの背中をポンポンと叩く。
「そんな、音がするほど、叩くな!」と思わず、叫んでしまう。

まだ首が座り切らないように見える赤ちゃんを、
「高い高い」するなんて、もってのほかだ。
赤ちゃんの世話をした経験者が、製作陣にいなかったのか、、、。
それとも、韓国では、あの程度の雑な扱いは当たりまえなのか。

筋書きはそれなりに面白いし、嫌な話ではないけれど、
赤ちゃんが気になってどうも集中できなかった。

最近、時々、若いカップルが、
まだ生まれて1か月も経っていないような極小の赤ちゃんを
人中に連れて来ているのを見かける。
どっちか、赤ちゃんと一緒に留守番せえ、とか、
見てくれるおじいちゃんおばあちゃんとかがいなかったのか、と
気になって仕方がない。
私が子どもを育てていたのは、半世紀前。
確かに、育児観は変化しているのだろう。
一定の月齢になって、丈夫になったと確信できるようになるまで、腫れ物にさわるように、大事に大事にしていた頃とは違うのかもしれない。

時代は代わる。
孫がいたら、昔の育児法を押し付けるうるさいばあさんになっていたのかな、、、。