それって、何?2020/06/29 09:53

私は、子どもの手が離れた頃からずっと仕事をしてきた。
遅い出発なので、
新卒の人のような働き方はできないし、
子どもがいると、採用をしぶるところも多かった。

が、とにかく、まがりなりにも仕事をする暮らしになった。
中途採用は、圧倒的に非常勤。
中途採用でも、すぐに正社員にしてくれたところもあったが、
結局、ブラックな会社で、次から次に人が辞めるので、
次から次に新規採用を繰り返していた会社だったりした。

夫に経済的に依存するのも、
夫から家事労働を任されるのも、
いいかがげん、やめたかったので、別居をした。
一緒に食事に行ったり、時には遊びに行ったり交流はしていたので、世間が考える「冷え切った関係」というのとは違う。

後半、仕事に恵まれ、仕事一筋の人生となり、猛烈に働いたが、
体をこわして、結局、大学の非常勤講師が唯一の仕事になった。
夫が亡くなって、17年。
一人暮らしも長い。
が、まだ、少しだけ仕事をしている。
大学で教える仕事と、自治体審議会の会長の仕事だ。

で、先日、管理組合の会合に出たら、
女性の弁護士さんで、唯一、皆さんから○○先生と呼ばれている人が、
私の発言の後、
「今、奥さまがおっしゃったことは、、、」
と言った。
ん? 今、何と?
「奥さま」って、言った?
耳を疑った。

が、話が進む中で、それにこだわるのも場違いな気がして、
聞き流した。
しかし、いや~な気分が残っている。
その日、気づいたのだが、女性委員(数が少ない)の一人は、
どうも夫の代理のようだ。
ずっと、その人が会議に出ているので、私と同じ立場だと思っていたが、
考えてみたら、女性委員でそういう人がいてもおかしくない。
夫婦は一心同体らしいから。
会議中、全然発言をされないのも、なんとなく納得。
代理だとしたら、なんか、発言しにくいだろうなぁとは思う。

しかし、私には若いときから、「奥さま」アイデンティティは皆無だ。
それなのに、「奥さま」と呼ばれることはこれまでも多かった。

ほとほといやになるが、
私はそう呼びたくなる風情の者のようだ。
外見がそうらしいのだ。
仕事の時はスーツを着ているが、ふだんの服装は違うので、余計、そういうイメージを醸し出すらしい。
特にフェミニンな服装はしていないのだけど。
思えば、そういう女役割を体現している風情を醸し出しているらしい自分がずっといやだった。
私より大柄の女性の友人と一緒に官公庁などに行くと、相手は、絶対、友人の方に話をする。
私は無視される。(付き添いじゃないんだよっ)
たいていの場合、私の方が事態を知悉しているケースが多いにも関わらず、相手は私を無視する。
講演者として会場に行っているのに受講者に間違われたり、
○○長であっても、受付係と思い込まれたり、
「責任者」だと言っているのに、「責任者の方にお会いしたい」と言われ続けたり、
そんな出来事は枚挙にいとまがない。
どうも、自分で思っている以上に、私は頼りなげで、誰かに依存しているように見えるらしいのだ。

「見かけよりしっかりしている」と担任の先生に言われたのは中学生の頃だ。
同級生の女の子からは
「あなたと初めて会った頃は、勉強のできない子だと思ってた」とも言われた。

若い頃は、職業を、「幼稚園の先生」だと勝手に思い込まれていたり。
(それも複数回。なんでやのん?)
 授業に遅れそうになって駅から大学までタクシーに乗ったら、
「大学に何しに行かはりますねん」とドライバーに聞かれ、
まだネットがない頃、学生の成績を家で記帳して、大学に書留で送っていたら、
いつも行く郵便局の女性から、
「偉いですねぇ、まだお勉強したはるねんねぇ」と感心され、、、。

私って、何やねん!
私の風貌が悪いのか。
それとも、人々がステレオタイプで人を判断し過ぎなのか。

なんか、つくづく自分がいやなのだ。
モーレツに、いやなのだ。
この年になって、まだ、会合に夫の代理で出席しているように言われる自分がいやなのだ。

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