憧れの人(続)2012/11/15 08:32

 京都国際会館で行われた記念ワークショップのテーマは、「翻訳という営みと言葉のあいだ ― 21世紀世界における人文学の可能性」というもの。「翻訳」について語られるのを翻訳を通して聴く、というなんともアイロニーな感じに思わず苦笑。
英語題は、
What Words Can Tell Us Through Translation: The Future of the Humanities 。

 昔、某大学で、専門科目としての文学論を教えていたことがあって、専門科目なので学生の食いつきも良くて、ポストコロニアル批評にも言及しつつ、教えているこちらの胸もときめく感じだった。最近はすっかり遠ざかっていて、ちょっとだらけていた。

 が、やはりここが私の居場所、と思えるようなしっくり感。境界、狭間、ボーダー、、、そんなような位置取りがいいのかも。

 日本人研究者の一人はアートからの報告で、ブランド帝国主義的(そんな言葉があるかどうか知らないけど)な状況への抵抗とからかいが面白く、興味深かった。ただ、サバルタン・スタディーズと直結する話題でもなさそうでどう関わるのか?と思っていたら、司会者もからませるのに苦労したらしく結局からませなかった。でも、単独に面白い報告だった。こちらも私の従来からの問題意識と合致していて、この日のワークショップはどこをとっても、私には面白いことだらけ。

 日々の雑用に追われて、この高揚した意識もまた埋もれていくのか?
この冬休みに読みたい本、やりたいことは決まった! と思っているのだけど、まだいっちょかみしている他のことの責任もあるので、またいつの間にか見失っていくかも、、、。

コメント

_ M吉 ― 2012/11/17 10:50

自己ツッコミ。

アートからの問題提起は、ポストコロニアルな視点から行われていたので、もちろん、地続きだと思います。この日の結節点に収斂しにくかったのは確かですが、、、。私のささやかな問題意識もここから派生して地続きだと思いますが、理論を積み重ねて論証していくのに、知力、体力が足りるかしら?

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