ちょっといい話2021/04/21 19:40

3月の末に、疲れ果てたイベントの後、
手伝ってくれた友人と晩御飯を食べに入った居酒屋さん。
もともとメインはお寿司屋さんだったのかもしれないが、
とにかく、比較的おいしくて、まあ、常道を守っている店だ。
結構、昔からある近所の店。

たまにしか行かないが、
以前、知っていた大将みたいな人ではなく、
若手が接客をしていた。

で、なかなか今どきの接客上手の若者と見えていた。

その日、私は疲労困憊していたので、
久しぶりにビールを飲んで、ホッとしていた。
で、メニューを見るために出した老眼鏡を置き忘れたらしい。
数日してから、気づいた。
あれ? いつからないんだろう、あの眼鏡。
いくつか、予備があるので、あんまり真剣に探さなかったが、
いよいよ本当に失くしたみたいだと思うと、結構、悲しい。
気に入っていたから。

一緒にその店に行った友人に、
眼鏡を失くした話をしたら、
「店に聞いてみれば?」と言う。
しかし、もう、何日も経っているし、
あの店に忘れたとしても、
「とっくに紙でつかんでゴミ箱にポイと思うよ」と私は言っていた。
そして、新しい眼鏡をあつらえた。
友人は、店に聞いてみた? と何度も言うのだけど、
「ないに決まっている」と私は聞いてみる気も起きなかった。

眼鏡を失くした上に、迷惑そうにけんもほろろの対応をされたら、
落ち込んでしまう。
絶対、そんな経験は、増やしたくない。
私はただでさえ、傷ついて生きてきたのだ。

すると、友人が電話をしてくれたそうなのだ。
そして、私の眼鏡(実は、ユニークな特徴のある眼鏡)らしきものが、
届いている、との返事があったそうだ。
「え? 置いているの?」と、そこで私はびっくり。
コロナのこの時期、客が忘れた眼鏡なんか、誰が置いといてくれるだろう。
紙でつかんで、ゴキブリみたいにポイされると思い込んでいた。

で、友人が電話で聞いてくれた後、さらに二日後の今日、
店を訪ねたら、
丁度、昼休みの書き入れ時を終えたらしい感じで、
例の若者が店の前で何か用事をしていた。
私が声をかけると、
「お一人様ですか?」と聞くので、
「いえ、お忙しいのに、ごめんなさい」と、電話をしたものだと名乗ったら、
即座に私の名前を言い、すぐにナイロン袋(食べ物屋さんらしい食品保存用の真新しい袋)に入れた眼鏡を渡してくれた。
紛れもなく、私の眼鏡。

おー!
こんなに親切に対応?
知らなかった。人がこんなに親切だなんて。
(どんなにひどい目に遭ってきたのだ!という感じだけど。)

世の中も捨てたもんじゃない、と感激。
洋菓子屋さんで、とりあえず、クッキーの手土産を買って行って、よかった!

なんか、わからないけど、
まだ、ひどい目に遭ったいろいろなトラウマが消えたわけではないけど、優しい人もいるのだと思って、うれしかった話だ。

道を歩いても、おっさんはひどいのが多い。
ぶつかりそうになっても、1ミリも道を譲る気配もない。
こちらのからだのよけ方が甘いと、すごい勢いでなぎ倒される感じ。

こちらが年よりの女だと見ると、
優しく丁寧になる人と、容赦ない人に分かれるような気がする。
総じて、年配の男がひどい。

ひどい扱いばかり受けて来て、
優しくされ慣れないので、今更のように、世の中を見直した感じ。
そして、世の中をまだちゃんと信じている友人にも感謝、かな。

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