猫が死んじゃったので2019/11/23 11:39

とうとう、一人ぼっちになった。

最期の方は、もう、私も介護でへとへと。
もうだめかも、と何度も思いながら、翌日はまた歩いているのを見て、ホッとする日々。

所構わず、排泄するし、ご飯もちゃんと導いてあげないとたどり着けない。
でも、鼻をつっこまんばかりにフードを持っていくと、
ハッと気づいたかのように、ガツガツ。

だんだん、部屋の隅っこにいることが多くなったのは、
死期が近かったせいだったのだろう。
猫用のトンネルを買って置いておいたら、やがて、そこにも入るようになった。ただ、途中にある窓に手足がひっかかって、出られないみたいで、何度も救出。
排泄物の掃除に追われるようになったので、
友人たちが、猫用のおむつをするように言っていた。
でも、ただでさえよぼよぼ歩いているのに、余計、歩きにくいのではないかと思って、おむつは採用しなかった。
南向きの一番広い部屋が彼女の部屋になって、リビングとの間についたてを置いた。
私が把握できる時間帯は家じゅうを居場所にするが、
夜中や私の外出中に所構わず排泄されるのを回避しようとした。
が、ついたての置き方が適当だと、知らぬ間にリビングや仕事部屋にいたりした。(笑)
なにしろ、排泄物の悪臭がひどい。見つけては掃除をするのだが、家具の陰などにされてしまうと、気づけないことが多く、悪臭のもとを探すのに躍起。いやというほど、消臭剤も使ってきた。

だんだん、取れない臭いに私は頭痛さえ起こすようになり、
さすがに友人の助言を受け入れ、ある日、おむつをした。
やせてきていたので、一番小さいのを買ったのだが、その日のうちにはずれてしまった。
朝になったら、いつも通り。で、諦めて、やっぱり、掃除に追われる日々。

水を使わないシャンプーやからだを拭くタオルなど、最期の短い期間に大量に購入した。せっせとからだを拭くと、それはいやではなさそうだった。

声をかけても聞こえていないような感じになって久しく、
どんどん理解不能になっていく感じだった。
もっと幸せにできないかとじれったく思うのだが、私が私の仕事やその他の用事にかまけている間に、彼女はどんどん一直線に生きるのをやめていったのだ。
22歳と半年。少しずつ衰えて、徐々に生命力を枯らせて、とても上手に老衰死したのだった。
生きているときは困らせられることが多くて、
あまりにもこちらが弱っていて苦労が多いと、
私の方が先に死ぬかも、と思ったことも何度もあった。
でも、彼女は彼女で、とても上手に終わりを迎えたのだ。

亡くなる前の晩、もう無理かなと思った。
もう、何も飲まず食べなかった。
口も開かなかった。目も開かなかった。
ただ、静かに静かにお腹は上下していた。
夜中に起きて見ると、とても激しくお腹が上下していて、見守っていると、やがて発作が去ったように、また静かに上下させていた。
いよいよだろうなと思った。
朝、動かないココがいた。
冷たくなっていた。

かわいいかわいい顔をして眠っていた。

小さいのに、存在感の大きい子だった。いつも思いきり、自己主張していた。

しばらく、茫然として、いないことに慣れない。
まだいる気がする。仕事をしていて、物音がすると、あの子ががさごそと何かして遊んでいるのだと思ってしまう。
が、その場所にはもう不在なのだ。

ペットフード、ペットシートは、買ったばかりで、大量に余ってしまった。
猫用トイレの砂も大量だ。
紙おむつも一つ使っただけで終わった。

なんだか、空虚になった。