忘却力2021/06/16 23:06

いろいろ、苦い思い出というものはあって、
特に最近は、コロナで引きこもっているので、
あんまり良くないことを思い出すことも増えた。

今日も、ちょっとした出来事を思い出した。

苦い記憶だ。

だが、悶絶するようなことでもない。
ざらざらした味わいの記憶なのだが、
たまに思い出して、苦さを感じる程度。

そのざらざら加減の最たるものは、
相手が忘れ去っていること。
指摘しても、もはや相手の記憶にないのだから、
こちらはすごすごと引き下がるしかない。

いや、相手の方は、そもそも記憶にとどめる、ということすら、
最初からないのかもしれない。

マイクロアグレッションという言葉が最近よく使われる。

うまいこと言うね。

そういうことが数知れずあったけれども、
いちいち言い立てるべきことではない、と飲み込んできたことの数々。

社会的な文脈で使われるらしいが、
個人的にも多々生じていることだ。

相手のちょっとした嫉妬心、
ちょっとしたイラつき、
そんなものがマイクロアグレッションにつながる。
私は、「個人的な悩み」が多く、なかなかそれを社会的文脈に変換できない。

本当は社会的文脈に読み替えられるのだろうけど、
それをするためのエネルギーが足りない。

マイクロアグレッションを浴び続けると、エネルギーを奪われる。
弱い人格ができる。

そういったことをちゃんと発言していけばいいのだけど、
そのエネルギーが枯れているのよね。

マイクロアグレッションは、本人に意識がないから、記憶も作られていない。
参ったわ。
ただただ、参るだけだわ。
こっちが参っている間にも、
その忘却力で、相手はパワーアップしている、という理不尽さ。

まあ、私もそういうことを誰かにやらかしているのかもしれない、という自戒だけは持っていた方がいいのだろう。

インフォームドコンセント2021/06/24 11:26

皮膚科に通っている。

アレルギー性らしいのだが、からだに発疹と痒みが出てきた。
血液検査をしたが、常用している薬は陰性だった。
アレルゲンが特定できなくて、まだ、何を回避すれば改善されるのかがわからない。

それと、もう一種類、高齢化によるものと思われるイボの治療。
これは、液体窒素による治療で毎週通う。
治療法がわかっている分は、患者としては心配していない。
そのうち、治るのだろうとせっせと通っている。

が、アレルギー性の方は、いやだ。
塗り薬を塗っていると、痒みはなくなり発疹も治まるが、
また別のところに赤いポツンとしたものが新たにでき、痒い。

で、先日、病院に行ったとき、
医者が、イボの治療だけで終わろうとするように見えたので、アレルギーの方のことを聞いた。
左側の手首のあたりに、イボの他に、アレルギー性の発疹もできてきて、痒い。
で、アレルギーの方のを指しながら、これも痒くて新たにできた、という話をしたら、
「痒いと掻いていたら、イボのようになるから、掻かない方がいい」との医者の返事。
たった今、治療をした部分がイボだということは認識している。
その近くにあるアレルギー性の方の今後の治療方針を聞こうとしたのだ。
ここにも増えているので、と。

しかし、医者は、「掻くとイボみたいになる」と再度、言い出す。
「でも、これは、アレルギーの方ですよね」と聞いても、
「掻くと、またイボみたいになる」と繰り返す。
「え? 掻いたらイボになるのですか? 原因は別なのでは?」と問い返すと、
「原因は関係なく、掻くとイボみたいになるということを言ってます」と、くどくどど、他の例えなどもまじえながら、声を張り上げて繰り返す。

なんで、話が通じないんだと困惑した。
それで、再度、
「私が今、困っているのは、高齢化が原因かもしれない、液体窒素による治療を受けているイボと、まだアレルゲンが特定されないアレルギー性の発疹との2種類ですよね」と、今度は、丁寧に確認する。
すると、ようやく、
「そうです」と。
それで、やっと、普通の会話に戻った。

医者というのは、患者との会話に齟齬が生じたとき、
自分の言うことを相手が理解しないと思い込むものなのか。
自分が、患者の意図を読み誤っている、という前提には立たないのか。

最終、普通の会話に戻ったのだが、
なんか、一日中くさくさした。

私は相手が理解しないと思っても、
(ひょっとしてこいつはアホなのかと仮に思っても)、
相手の文脈に沿えるように、
とにかく、相手が何を知りたがっているのかを読み取ろうとするぞ。

そこで、イライラしたりはしない。
まあ、ため息をついて、コミュニケーション自体を諦めることはあるけどね。