もう誰にも、こんな辛い思いはしてほしくない2020/12/19 21:46

標題の気持ちはほんとうだ。

大事な人が事故死してしまった、という人の記事を読んでいたら、
「もう、誰にもこんな思いはしてほしくない」と、
残された人が語ったと書いてあった。
他にも、同じことを言う人のことを何度も読んだことがある。

自分自身がそこまで辛い思いをしたことがなかったとき、
スルーしてしまっていた表現だ。

が、17年以上も前のことだが、
夫が亡くなったとき、苦しくて苦しくてたまらなかった。
この世にこんな辛いことがあるだろうかと思った。
この辛さを逃れるためには、自死するより仕方がない、
でも、子どもたちのことを思うと、これ以上、悲しい思いをさせるわけにはいかない、と、
引き裂かれそうになりながら、生き続けた。
その時に、そう思った。
心から、もうこれ以上、誰にもこんな辛い思いをしてほしくない、と思った。
それが何を意味するのか、実は、私はまだ解明できていない。

他の誰かに同じことが起こるたびに、
この苦しみがよみがえるのを回避したかったのか。
私の夫が亡くなったのを知った時、
1年ほど前に夫を亡くした人が、私のその知らせを聞いて、
電話の向こうで泣いた。
「私が夫の亡くなった悲しみをいつも聞いてもらっていたから、あなたもそんなことになったのか、、、」と、その人は泣いた。

夫が亡くなったことは、今も私を泣かせる。
死ぬまで苦しむだろう。

亡くなってはいけないのだ。
いるべき人は、いなくなってはいけないのだ。

知人のお母さんは、100歳を超えて亡くなられた。
それくらいになると、ようやく、人は苦しみよりも、
「見送る」思いが勝るのだろうか。

そうでないといけない。
誰も、いるべき人を失くしてはいけない。
本当に、そう、思うのだ。