昨日の施設面談(4)2017/08/03 10:35

義姉を家まで送って、
ちゃんと夕食を食べるよう、誘導しようと思っていた。

が、私たちが帰ってから一人で落ち着いて食べる、と言う。
配達されて冷蔵庫に入れてあったハンバーグ弁当をあたためて食べるように言うと、
レンジに入れて、ドアを開けて、
「忘れるからこうしておく」とのこと。

「ヘルパーさんが、ご飯が炊いてあるみたい」と言ってたよ、と言うと、
炊飯器を開けて、
「ほんとやわ。ご飯、炊いてるわ」と、茫然としている。
「どうしよう」と言うので、
「先にお弁当食べて、ご飯は小分けして冷凍しておいたら?」と、
絶対実行されないであろう空しい助言をする。
なんか、声まで空々しく上ずってくる感じ。

実は、私自身が、だんだん疲れて来て、ふらふらしてきたのだ。
椅子に座りたくなるが、
義姉はずっと座らない。

前夜、家の電話にも携帯にも出なかった話をうっかりしたら、
そこから、携帯の履歴を調べ出して、
ずっとそこから話題が動かなくなった。
実は、施設に入ると安全面で心配がなくなる、という話を、
義姉の質問に答える形でしようとして、
前夜の電話の話をしたのだが、これが間違いだった。
「え? 電話くれてたん?」と、彼女は携帯を開いて履歴を調べ始める。
通常なら、それはすぐにできる作業だが、
彼女はそこに時間がかかる。
代わりに見てあげたいが、彼女はなにしろ、自分で調べて、
自分の目で見て、納得したい人なので、何でも自分でやろうとする。
だから、果てしなく時間がかかる。
エライこと、言うてしもた、、、という感じ。
が、仕方がない。
彼女が、前夜、私の着信に気づかず電話に出なかった、という証拠を見つけるまで、
時間がかかる、かかる、、、、
「今日、何日?」「昨日は何日?」「何時頃、電話くれたん?」といった質問を、一つ作業をすると先の質問の回答を忘れるので、延々と繰り返すのだ。

す、座りたい、、、
くらくらしてきた、、、
が、義姉は、立ったままで、作業しながら質問を繰り返している。
私は、気が遠くなりそうだ。

義姉はほとんど食べない。
水分も摂らないので、トイレにも行かない。
で、ずっと立ったままで携帯を見続ける。
身長165センチ、体重35キロの義姉は、なぜそんなに体力があるのか。

ようやく彼女が納得して、
「電話くれてたのに、出なかったんやね? ごめんね」と言ってくれたときは、
次に、「それで何の電話やったん?」という質問はもう辛すぎるので、
その質問が出ない間に帰りたかった。
息子は、なんだかのんびりしていて、ベランダに出たりしている。
私はほんとにもう倒れそうになってきたので、
彼を誘わないで一人で帰るつもりで、
「Tちゃん、帰るね」と声をかけた。
玄関で靴を履いていると、彼も出てきた。

「ごはん、ちゃんと食べてね」と言って義姉の家を出た。

帰り道、私はものすごく空腹だった。
くらくらしていた。
いつももっと遅い夕食の彼は、まだ食べないだろうと思ったけど、
とにかく誘ってみた。
今日は、昼食が早かったから、食べてもいいよと言う。

それで彼の用事のある難波へ行った。
目的の店が休んでいたので、
高島屋の東洋亭に入った。
義姉の家で見てから、ハンバーグが食べたくなっていたので、
二人ともハンバーグ。
息子の分も払うのは辛いなぁ、自分の分は自分で、といつ言おうかと、悩んだり、
久しぶりだから出してやるしか仕方がないかと思ったり、
私の母と外食すると、絶対に母が出していたから、悪い習慣がついたと呪ったり、ちょっと悶々としていた。
東洋亭は美味しくて価格もリーズナブルな方だと思うが、
それでも二人分は、もう今の私には厳しい。
と言うより、この習慣を断ち切りたい。

が、私がトイレから戻ってくると、息子が言った。
「ここは、僕が出すからね」と。
「え~っ! 奢ってくれるの? え? ほんとに?」
「そんなに言わんといて。初めてみたいやん」
「初めてやん!」
確かに格安ランチは奢ってくれたことはあるけど、夕食は初めてだぞ!
あんまり私が感激するので、
「ええ年してるのに、恥ずかしいやんか」
「でも、今日は記念日やわ」と、喜びを隠しきれない。

後で彼の会社の名刺をもらったら、「課長」となっている。
私は民間会社の階級を知らないのだが、
公務員なら、自治体にもよるだろうけど、「課長」級は出世した人だ。
部長級ともなると、事務方ではトップだ。
民間会社なので、独特の階級があるのだろうけど、
でも、仕事は熱心にやっている。
やっとこの子も、親に晩御飯を奢ってくれるようになったか、、、。
フリーター時代のことを思い出すと、感動ものだ。

あんまり感動したので、食事の後、彼を誘って、
スイスホテルのラウンジでコーヒーを奢った。
ブレンドコーヒー2杯で2851円とか。(1円って、何だ?)
「ハンバーグより、高くついたやん」と息子は言ってたけど、
うれしかったんだもん♪

それから買い物に行く彼と別れて、
私は南海と環状線で帰った。

最後の食事とコーヒーは良かったけど、
それまでの疲れがどっと出て、家に帰ったら、ぐったりしてしまった。
コーヒーを飲んでいるとき、義姉から電話がかかった。
かけ間違ったそうだ。
「晩御飯、食べた?」と聞いたら、
「まだやねん」とのこと。

あのハンバーグ弁当、結局、食べてないのだろうな。
施設に入居すれば、三食が用意されるので、それだけでも意味があると思う。
義姉本人が、以前、
「私、あんまりご飯食べないから、脳に栄養がいかへんねん」と言っていたが、
今回見ていると、それはあながち間違ってはいないような気がした。

コメント

_ たま ― 2017/08/03 12:28

ものすごく共感しましたね。
私もついつい親子で食事をすると、こちらが出していたけれど、
年金生活になって、私たちの年金額をお正月の雑談の中で
話題にしたら、それこそ子供たちが出してくれたり、
我が家に来る時は、自分の家に届いた お中元やお歳暮を
持ってきてくれるようになりましたよ(笑)

お姉さんのことが大変だったけれども いい感じの息子さんとの時間
報われた感じです。

本当にお疲れさまでした。
今から先も大変だと思います。
ここに愚痴ってください。
老化の認知症だはなく、若年性のアルツハイマー
なんですかね。

_ つゆ ― 2017/08/03 13:56

私も、このブログがいつの時点のものか、
わからなくなってきました(^ ^)
ともあれ、息子さんが大人になってきて、
虎猫さんの喜んでいるようなのが、微笑ましいです。
それにしても、コーヒー2杯で、2800円!
世捨人をやってるうちに、世の中、進んでるのか、
政府の経済政策が悪いのか〜〜

_ M吉 ― 2017/08/03 14:17

たまさん

ほんとに、子どもたちがしっかりしてきてくれると、ホッとします。
まぁ、ほんとにいい年なんですけど(^^)

70歳でこれって、若年性なのでしょうか?
体力もあすり、疲れ知らずで、ノンストップで喋ります。
こっちの方が先にくたばりそうです。

_ M吉 ― 2017/08/03 14:22

つゆさん

長い話につきあってくださって、いつもありがとうございます。
でも、コーヒー高いでしょう?
覚悟はしてたんですよ。
でも、覚悟以上の価格で、「やられた!」と思いました。

税とサービス料が入ると、こうなりました。
雰囲気、コーヒーのお味、ソファ、コーヒーカップとソーサー、ついてきたクッキー、どれも申し分ないのですが、この価格に見合っているのかどうか、私には判定できませんでした。
+こちらの満足料、ですね♪

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