昨日の施設面談(2)2017/08/03 08:48

一昨日の夜のことだけで、終わってしまったので、続き。

結局、朝、いつもの感じで電話を入れると、
携帯には出ないが、家の電話には出てくれた。
それで、施設面談の話を切り出す。
前日の昼、ケアマネさんが話を振っておいてくれた時は、
喜んで、「一緒に行く」と言っていたそうだが、案の定、全部忘れている。

「それ、何? どういうところ? なんで行くの?」
ずっと、同じ質問に繰り返し答えながら、納得をとりつけるのに、
34分の通話。(短い方かな?)
将来に備えて、お医者さんが紹介してくれた高齢者向けのマンションがあるから、見学に行こう、というような話にしてある。
で、
「今日の午後なら見学に来てくれていい、と言われたので、行こうね」と。

「そうやねぇ。将来、入らないといけなくなっても、すぐに入られへんもんね。そやから、見とくんやね」と、
義姉は自分の言葉に置き換えて腑に落ちることによって、了解する。

誰でもその作業をしているのだろうが、
義姉の場合は、その作業に時間がかかるのだ。
話の内容を理解するのに時間がかかり、
理解したそれを自分の行動に結びつけるのに、また時間がかかる。
一般論として理解しても、なぜそれを自分が行うのか、ということには、
別の納得する工程が要る。
やっと納得しても、それを行動につなげるのは、
また別の工程だ。
私たちにとって、一連の行動のように思えることが、
彼女には、つながっていないようだ。
やっと最終の結論までたどり着いたら、
今度は最初に理解したことが忘れられているから、
また、一から再スタートなのだ。

やっと納得してくれたので、
「1時ころにお迎えに行くから、お出かけ、よろしくね」
「うん。お昼も食べといて、出かけられるようにしといたらええんやね。
でも、覚えてる自信ないわ」と言うので、
また、電話をする、と言ったら、喜んでいた。

12時頃、電話をする。
朗らかな声で電話に出てくれた。
「M吉さん、どうしたん?」 
(おぉー、リセットされてるぞ!)
予期したこととはいえ、ちょっとがっかり。
今度はこちらも強気で、
「朝、約束したでしょ? 1時にお迎えに行くから、出かける支度しといてね」とちょっと、強引に言う。
「え? 何の約束したん? 覚えてないわ」
ここからはいつものパターン。
大雑把に分けると、こういう感じかな?
一般論として理解 → 自分に関係あることとして理解
→ 自分の行動として理解 → 行動

この過程に、彼女が思い出した昔のエピソードや、
自分の実姉のことや、彼女が日ごろ思っているらしい人生観などが挟み込まれる。
で、時間はどんどん引き延ばされる。

でも、こちらの急いでいるらしい気配などを推し量る力はあるので、
適当なところで妥協して、納得したふりをしてくれることがあるようだ。

だから、余計、何一つ記憶に刻み込まれないのかな?

1時に息子の車で、彼女のマンションの玄関前まで行き、
電話を入れると、
「何か、約束してたん?」と戸惑ったような義姉の声。
ケアマネのSさんがすでに到着してくれていて、
説得を始めてくれているらしいのだが、混乱している様子。
しばらく車の中で待っていたが、難航しているらしいとわかって、
(最初からわかっているはずなのだが、ひょっとしてうまくいくかも、という期待がいつもある)
マンションに入って行った。
息子はアイスクリームを食べながら、車で待っとくと言うので、
(子どもか!)
私だけ先に行く。

義姉の家のドアチャイムを押したら、ケアマネさんがドアを開けてくれた。
義姉は、困惑しきった様子で、
「私、どこ行くのん?」と、うろうろしている。
結局、また、同じ説明を繰り返す。
「コンタクトがない」
「ドキドキする」
「ふらふらする」(お腹が空いているからかな、とパンを食べた)
「私、何も覚えてない、重症やね」
と言ったようなことを何度、繰り返したことか。

やがて、息子もやって来て、
とっくに施設に着いているはずの時間に義姉の家を出た。
車から、先に施設で待っている後見人に電話。

施設に着いて、部屋を案内してもらう。
施設はきれいで清潔で、居心地の良さそうなところだ。
義姉が入居するとすればここになる、という個室を見せてもらう。
義姉は、「部屋ってこれだけ?」と困っている。
要するにワンルームなので、困りきっているのだ。
「私の家は、10個くらい部屋がある」と言い出す。
え? とびっくりしたが、義父が亡くなるまで家族が住んでいた家のことだとわかった。
2軒分を一つにしただだっ広い平屋だった。
庭や玄関が二つあって、家の中で迷いそうだった。
が、30年以上も前の話だ。

困惑すると、古い記憶などが時系列を無視して甦るのか?

スタッフがたくさんいて、住み心地は悪くなさそう。
見学を終わると、責任者や複数のスタッフもまじえて、
お話し合い。
と言っても、実は義姉が独立型のフロアの住居が可能か、
サポート型のフロアが適当か、施設側の見極めの場でもある。

義姉はしっかり質問をして、会話をしている。
が、同じ質問を繰り返し、今説明されたことも記憶にとどめられていない、ということは、すぐにわかるだろう。
最終、そこを辞し、義姉を車に乗せてから、
施設長さんとちょっと立ち話。
すでに見極めはついている様子。
ただ、入居者の平均年齢は、86歳、とのこと。
義姉は70歳だ。

確かに、見学の時に、出会う人、出会う人、
みな、もう立派な「老人」だった。
義姉も年を取ったとは思うが、それでも、
長い間、梅田でOLを続けてきたシティ派の70歳は、
他の入居者とは全く雰囲気が違う。

ここに置いてしまうのは、ちと酷なような気がする。
いくつも迷う要因がある。

コメント

_ つゆ ― 2017/08/03 10:34

80過ぎてなら、なんとなく納得の領域ですが、
70歳とは若い!
元気な人も多いから、余計そう思うのでしょうか。

それにしても、
またまたお疲れさまでございました。

_ たま ― 2017/08/03 10:58

息子さんの登場で少しホッとしました。
娘さんも息子さんも優しくて、いいですね。
義理のお姉さんまだ70歳!私より2個しか変わらないのですね。
体は元気なんですね。
義理のお姉さんは頼り切ってあるみたいですね。

つくづく大変なことをなさってるんだと思います。
ゆっくり休養してくださいね。

_ M吉 ― 2017/08/03 14:10

つゆさん

そうなんです。
義姉だけを見ていたら、年を取ってきたなぁと思っていましたが、
施設に行くと、一人、浮いてしまうので、びっくりです。
70歳って、まだ現役の人がたくさんいますものね。

_ M吉 ― 2017/08/03 14:14

たまさん

義姉は妹キャラというか、幼い感じがします。
昨日、義姉から言われました。
「M吉さんって、私より年は若いけど、お姉さんみたいな感じがするねん」って。

妹キャラの人と接すると、なんだか、いたわらねばならないような感じがします。
年齢、関係なさそうです。

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